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優先席とハート・プラス

さちるのつぶやき 其の十三

情報登録日:2006-05-19 09:27:00 (sachiru7777)

最終修正日:2006-06-26 11:30:13 (sachiru7777)

このイラストをお借りした素材屋さんへ飛びます

電車の座席に座っている時、ちょっと年配の方に前に立たれたりして、
席を譲ろうかどうしようか思い迷ったことってありませんか?
「ありがとう」と微笑まれて爽やかな空気が流れるか、
「年寄り扱いせんといて!」と返されて気まずい沈黙が広がるか、
これはもう一種の賭けみたいなもんです。
結局は、人間対人間のやりとりですから、100人いれば100通りのドラマが 生まれるだろうと思います。

でもそこが優先座席で、相手が白い杖を持っていたり、松葉杖姿だったり、 お腹の大きい女性だったらどうでしょうか。
もう当事者のやりとりだけの問題ではなくなり、そこに乗り合わせた他の乗客たちの思いが 複雑に絡みあってきます。

さちるは、会社勤めをしていた頃、なるべく優先座席には近寄らないようにしていました。
片足に障害があるので、かなりの確率で席を譲ってもらえるのです。
中には自分のバックで席を押さえておいて、ちょっと離れて立つ私の所まで わざわざ呼びにきてくれる人までいました。(感謝!)
でも。私の場合、座ってしまうと、ぱっと見は障害者だと気づかれにくい。。 おまけに、まだ当時はうら若き20代の華やかな(?)OL風でしたから、 次々に乗客が入れ替わり、席を譲られて座ったいきさつを知らない人が増えてくると、 今度は
「何故貴女のような人が優先座席に?」という視線がつき刺さってきます。
「今の若い人は何を考えてるんだか・・・」といったあからさまな会話も聞こえてきます。
ここで、自分よりも席を譲られるにふさわしい人 (思いっきり老齢の紳士や臨月間近な女性など)が
乗ってきてくれれば、さっさと席を替わってこの場を切り抜けられますが、
中途半端に妙齢のご婦人に席を替わったり、降車駅でもないのに席を立とうとすると、
「あら。足が悪かったのね。」と言う声とともにバツの悪い空気が流れてしまいます。
先ほどまで冷ややかな視線を投げていた人たちを悪者にしてしまうからです。

今はさちるも年齢を重ねて狡猾になり、電車に乗る時はなるべく「つえ」を持ち歩くように しています。
実際、OLの頃と違って長時間電車に揺られると立っているのはかなりきついので、 ありがたく座らせて頂き、見えるように杖を立てて、眠るようにしています。

けれど、私のように心の防波堤となるような「つえ」を持たない、一見して健常者に見える人たちは、 「わかってもらえないつらさ」を抱えて、今日も電車に乗っているのでしょう。

ある心臓疾患の女性は長く立ち続ける事が身体へ大きな負担となるのですが、 月に2回は電車を利用して通院しなければなりません。
朝は通勤時間と重なるため車内は混んでいます。電車を何台か見送ったり、始発駅まで戻ったりして 席を確保していますが、前によろよろとつり革につかまる老婦人に立たれたりすると、 やはり周りの視線が厳しくなるようです。仕方なく席を譲ってはみたものの、今度は自分の血の気が 引いていくのがわかる・・・うずくまる彼女が聞いたのは、「席を譲ってわざとらしく倒れるな」という 言葉だったそうです。

長年不妊治療をしてる友人は、毎日注射を打つために病院へ通っています。 ホルモン剤の影響で身体はボロボロ。副作用で腹水が溜まり、やはり通院途上の電車の中では じっと座って痛みをやりすごしたい口です。かすかな期待と落胆を繰り返す彼女が一番つらいのは、 自分よりはるかに元気そうに(幸せそうに)見える妊婦さんに痛みをこらえて席を譲ることだそうです。

ハート・プラス


こうした内部障害・内臓疾患者の見えない思いをわかってほしいと、各地で様々な 活動が行われています。
近年、想いは形になり、「ハート・プラス」というマークが新たに生まれました。
ハート・プラスマークについて詳しくはこちらをご覧ください


優先座席マークあれこれ

以前は、「シルバーシート」と呼ばれていた座席が、「優先席/優先座席」に名称が変わるとともに、 妊婦、乳幼児を連れた人、怪我人を含めたマークへと変更されています。

優先座席のステッカーは電車バス共に各社実に様々です。

これは、京都市交通局、JR東日本で採用されているステッカーです。よく見かけますね。

京都市交通局優先座席ステッカー

京阪電車のステッカーは、携帯電話禁止に連動させて内部障害もマーク化されています。

京阪電車優先座席ステッカー

そんな中、1999年春、阪急電鉄では特定の席が「優先座席」という考え方を廃止し、 すべての席を優先席として開放しました。
事実上優先席はなくなったのです。
「席をおゆずりください」と書かれた啓発ステッカーは、特定の席の近くではなく、 ドア付近など車内に今も貼られています。
優先席がなくなって、果たして席を譲ってもらえる人は減ったでしょうか?


「優先席」という枠、「障害者」という枠、枠を作ることで生まれる新たな枠、 そんなものに囚われないで、
人間対人間のやりとりの中から、色んな人間模様が生まれて くればいいのになあ。
仕事に疲れたサラリーマンも、ショッピングで歩きつかれたお姉さんも、 堂々と「今は座っていたい」と言えて、
ちょっと余裕のある人が、ちょっとしんどそうな人に 自然に声をかけられる、そんな社会になればいいのになあ。
と。思うんですけど。むつかしいのかなあ。

知ってました? 「プレママ・マーク」  妊娠女性配慮のシンボル 意識浸透へ広報充実 京都市(京都新聞記事)


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コメント

みんなもっと余裕がもてればいいのかも

顔 Aron 時間 2006年 6月 27日 08:54:26

さちるさん、こんにちはっ
”今日から始めるバリアフリー”のAronです。
コラム読ませていただきました。
掲示板のレスにも書きましたが...他人の辛さ、外から分からない場合に想像するのって難しいですよね。
妊婦さんだって、おなかが出て見えなければ分からないですしね...辛そうな人の自分の分からない辛さを想像してあげられる心の余裕が持てる社会づくりが大事なのかなって思います。
それには遠回りかもしれませんけど、子供の頃から障害とか病気で区別しないで一緒に学校に通わせて、いろいろな人がいること体験させることが大事なのかな?
大人...意地悪で余裕のない大人は難しいかも。
うーみゅ。

できました!

顔 kissy 時間 2006年 6月 26日 18:39:16

さちるさん、何度もすみません!文字化け解消できたみたいです。いろいろとお手数をおかけしました。ありがとうございました!!

トラックバックの文字化け

顔 masahi-o 時間 2006年 6月 20日 22:19:53

kissyさん、すいません、本システムを作っているものです。
トラックバックの文字化けですが、少し対応してみました。
お手数ですが、もう一度トラックバックしてみてください。

登録、書き込みありがとうございます!

顔 sachiru7777 時間 2006年 6月 20日 16:43:00

kissyさんはじめまして。

京都でも母子手帳と一緒にマタニティバッジを配ってるって初めて知りました。画像も見れて嬉しかった♪

残り少ないマタニティライフ、お身体に気をつけて楽しんでくださいね。

トラックバックの文字化けはちょっと調べてみますね。

トラックバック

顔 kissy 時間 2006年 6月 20日 16:35:20

下記、トラバさせていただきましたが、タイトルの文字化けがうまく解消されませんでした。申し訳ないです。二重になっているので、お手数ですが、1件削除をお願いします。

BABY in ME(マタニティのシンボルマーク)

顔 sachiru7777 時間 2006年 5月 25日 16:04:02

anikaさんのように、妊娠初期の方がむしろつらいのに、周りには理解されにくい・・・そんな状況を改善しようと、「BABY in ME」というマークが生まれて活動しているのをご存知ですか?母子手帳と一緒に配ったりもし始めてるそうです。http://www.baby-in-me.com/

知らない人との会話

顔 ono 時間 2006年 5月 21日 03:07:59

知らない人と会話をしたり、コミュニケーションをとって意思疎通をするのって、難しいですね。都市化すれば段々と「暗黙のルール」が出来てしまって、そのルールに従わないといけなくなりますが、すべての人を同じルールで縛ってしまうのは、必ず無理が出てくるんですね。実際、見た目の障害等による「優先座席」も、「目に見えない障害」を無視していた事になっていたんですね。僕も気づいていませんでした。さまざまな立場の人が声を出して、それを共有して考えることができる社会になることが大切ですね。

見えないって難しいです

顔 anika 時間 2006年 5月 20日 17:40:46

私も両方の経験あります。
妊娠初期ほどつわりはつらいものです。
けれどおなかが目立たなければ座りたいなどと20代では口が裂けても言えませんでした。
で、バスを降りたとたん耐え切れずに・・・
反対の経験では、どこから見ても悪いところはなさそうな人に対して、やはり口に出さずとも「何であの人が堂々と座っていられるのだろう?」と思ったこともしばしば。これはさちるさんのお話を読ませていただいて大反省です。
決め付けはいけませんね。
10代のときには譲るタイミングがつかめずに、悶々としたり、適切な譲り方ができてないことが、恥ずかしながらいまだにあります。

できれば『小さな親切大きなお世話』なんて思われないようにさりげなく思いやりの心を表現できたらなぁ、と思いますね。


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ぐったり 時間 2006年 6月 26日 18:30:59

今日も梅雨の合間の晴れ!でも蒸し暑いです。夜は本当に寝苦しく、何度も目が覚めてしまいます。 昨日あたりから股関節に違和感が…。今日も少し痛いです。 立ちくらみも復活{/face_naki/} お...

PRIORITY 時間 2011年 5月 19日 22:40:53

東武東上線では現在「Courtesy Seat」って書いてありますね、優先席。 英単語の使い分けはどうあれ、今日は優先席に座って帰ってきてしまいました。 思うことがあったので、ちょい書きます...

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